ドローンと飛行許可について

ドローンの飛行許可については、航空法で定められた「禁止区域」や「禁止方法」で飛ばさなければ、 特に必要ないのでは、とお考えの方もおられるようです。 例えば「飛行させる場所がほとんど山の中で、人もいないし家もない場所でしか飛ばさないから。」 などのご意見が多いように思われます。

 私も当初は、正直、そう言われれば、反論の余地もないような気がしていました。 まあ、代表的な場所としては、人口密集地、地上から150m以上、空港の近く等、方法としては、 夜間の飛行、目視外飛行、人、物等から30m以内の飛行。などに該当しない飛行をすれば飛行許可は 特に必要ないのかも・・・と思った時期もありました。 (念のため申し上げておきますが、私は最初から航空法による飛行許可をいただいて飛行させております・・・)   

しかし、そのうち航空法の許可以外にも飛行する際に許可が必要な場合があることがわかってきました。 道路上では、道路使用許可。公園や港湾、河川などは条例で禁止されている場所もあり、確認等が必要。 国有林野の中は、森林管理署の許可。線路を横断するにはJRの許可。高速道路の近くも管理者の許可。 民間所有の土地の上空300m以内については、土地所有者の承諾が必要、等々。 結局、飛行させるには許可が必要な場所ばかりで、いったいどこで飛ばせば許可がいらないのか、 許可がいらない場所を探すことの方が難しいことに気がつきました。       

これらの許可については、航空法による飛行許可のように事前に取得しておくものばかりではありませんが、 どういった許可をいただくにしても、「ドローンの飛行」を目的にする上では、ある程度その正当性を説明 して許可をいただくということになると思います。 ドローンを飛行させるための許可をいただく中では、やはり“「航空法によるドローンの飛行許可」を取得 している。“ということが最低限の条件になるのではないでしょうか。

 また、冒頭で申し上げましたが、「飛行させる場所が航空法上の禁止場所ではなく、方法も禁止されていない。」 さらに、その他の許可も必要ではない。という状況での飛行であれば、「航空法上のドローンの飛行許可」は いらないのでは・・・ということですが、 屋内や許可不要の専用の飛行場所等であれば、もちろん必要はないと思います。 ただ、そういった場所以外では、例えば、山奥であっても高圧送電線や他の無線局などからの電波障害、 電波干渉などによる操縦不能が原因で思わぬ事故につながる等も考えられます。 そうした際には、少なくとも「航空法上のドローンの飛行許可」を取得していなければ、事故に対して 弁解の余地はないと思います。 私事ですが人口密集地でも、山奥の田んぼの上でも、操縦不能に陥るという経験を何度か経験し、冷や汗を かいた経験があります。   

 以前は、トイドローンとされてきた重量100g以上のドローンでさえ、近年「無人航空機」として扱われ るようになったり、事故等に備えドローンの登録が義務化されるなど、益々ドローンに対する規制は厳しくなってきております。 そういった中で、ドローンを所持していない人までもドローンに対する認識が高まり、規制などに対する 知識も深まってきているように思います。 運転免許証を持っていないと自動車を運転してはいけないということは誰もが納得する常識です。 ドローンも環境や方法に関係なく許可(免許)がないと飛行できないという現実が近づいてきているのではないでしょうか。                                      (ちなみに、令和4年6月20日以降、登録していないドローン(無人航空機)は飛行させることができなくなりました。) 
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